知念実希人による作品。あらすじは「強盗犯により密室と化す病院。息詰まる心理戦の幕が開く! 療養型病院にピエロの仮面をかぶった強盗犯が籠城し、自らが撃った女の治療を要求した。先輩医師の代わりに当直バイトを務める外科医・速水秀悟は、事件に巻き込まれる。秀悟は女を治療し、脱出を試みるうち、病院に隠された秘密を知る――。そして「彼女だけは救いたい……」と心に誓う。閉ざされた病院でくり広げられる究極の心理戦。迎える衝撃の結末とは。」
評価/★★★☆☆
医者という職業の著者は当然の事ながら「医療ミステリー」を得意とする。今作もそのジャンルに当てはまるものだ。
これは知人にオススメされ読んだ作品で、私が「何か密室で起こる心理戦の作品読みてえなあ」と言ったらこれを推薦された。読んでみると、中々ハラハラさせられ、読了までのスピードは早かった。血生臭い場面や、逃げられない病院で隠れている犯人ことピエロに怯える登場人物達の心理描写は中々巧みな物だった。
しかし読了した後に割と欠陥が見つかるのである。ネタバレになるので言わないが、「イヤ絶対無理だろそれ」と思い返した。読んでいる最中にはそんな事思わなかったが、聡明な人ならば気になって仕方がなくなるだろう。後オチも割と微妙で、腑に落ちない気持ち悪さが身に纏った。
しかしサスペンスないしミステリとしては中々な物だった。
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